サーヴァントと助っ人 19
伯爵【…さて、流石に厳しくなってきたか…仕方あるまい。ここは一旦態勢を立てなおして…】
そのまま伯爵は、一旦距離を置いて別の戦闘方法を試みようとしたが、その時、何かが彼の顔の横をかすめていった。
伯爵「…何だ?」
伯爵は、何が飛んでいったのか確認するために後ろを見ると、およそ10メートル後方にある一本の木に何かが突き刺さっているのが見えた。それは、一本の弓矢であった。
元就「…さて、残念なことに一撃では仕留められなかったようだ。」
どうやら、何者かが自分に向かって矢を放ったということは瞬時に分かったが、まさかこんな温厚そうな老人がこんな物騒なことをやるとは。
伯爵「…ほう、何者か分かりませんが、どうやらあなたも私の敵ということで構いませんかな?」
元就「そういうことになりますね伯爵殿。先ほどからあなたの様子は遠くから見てたけど、君がどことなく悪人であるということは分かってね。そこのお嬢さんに加勢しようというわけさ。」
伯爵「ほう?そうかね。しかし、こんな森の中で徘徊とは、あなたは相当ボケていると見えるが?」
そんな伯爵の言葉にも、元就はそよ風のようにしか感じないのか、さらりとかわしつつ彼にうまい返答を返し始めた。
元就「そんなあなたこそ、こんな小さい子供をいじめて…おっと、18歳だから十分お嬢さんといえる年齢かな?兎に角、こんなお嬢さんを突然襲撃するあなたも私からすれば十分どうかしてるけどね。」
突如現れたその老人に、イリヤははじめ何者か戸惑ったかが、取り敢えず味方であるということは理解できたので、そこは安堵した。
イリヤ【いきなりあのお爺さんが現れたけど、取り敢えず味方をしてくれているらしいから助かるわ。…けど、あの格好、時代劇の役者かなにかかしら?…目の前のサーヴァントといい、今日は不思議な日だわ。】