サーヴァントと助っ人 11

そのまま、二人は展望廊下を歩きながら、眼下に広がる巨大都市を見つめる。そのまま老人は、ドゥークーのほうを振り返り、やさしい口調でかつての弟子を迎え入れる。

 ドゥークー「しかし、まさか別の銀河で、しかも遥か未来でこのような形で出会うとは。この時代の魔術という技術には驚かされるばかりです。…いや、科学力も同じほど驚きですが。」

 皇帝「確かにそうよ。…しかし、魔力供給とやらが切れてしまった場合、我々は消滅する可能性もあるがな。そこは、気を付けねばな。しかも、余は普通のサーヴァントシステムに逆らい、【サーヴァント】が【サーヴァント】を召喚するということを平気でしてしまっているから余計に大変かもしれぬな。」

 

さて、ここで簡単に解説すると、且つての英雄を使い魔として召喚したもの。それがサーヴァントと呼ばれる者たちである。しかし、彼らにもやってはいけないことがある。それは、通称二重召喚と呼ばれる行為だ。簡単にいうなれば、サーヴァントがサーヴァントを召喚してはならないというルールだ。それは、且つて行われていた【聖杯戦争】と呼ばれる儀式から受け継がれているものだが、そのルールをこの皇帝は破ることが出来るのだ。

 ドゥークー「それもそうですな。しかし、魔力供給をしてる本当のマスターは相当な魔力量を持っているということですな。我々が全盛期以上の力を持って召喚されているというのに。」

二人は、そのまま移動を始め、どことも知れぬ場所へ消えていく。

そんな会話をふと思いだしながら、目の前の怪物がサーヴァントであると分かった以上、ここで倒しておかねばのちの禍根となることは薄々気づいていた。