サーヴァントと助っ人 12

だが、中々厳しいのではないかというのが彼の本音であった。一体何者かわからないが、その巨人に手を出すのは至難の技であることは良くわかっていた。

 ドゥークー「…成程、そういうわけか。我々以外のサーヴァントは初めて見るが、これは強そうですな。」

 イリヤ「それはそうよ。私のバーサーカーは強いんだから!ね、バーサーカー!」

その大男は、彼女に呼応するかの如く、何かしら吠える。その声にドゥークーは一瞬怖気づきそうになった。しかし、彼はこの難局を乗り越えねばならない。何故なら、彼はマスターの命令を忠実にやらなくてはならないからである。

 ドゥークー【これはこれは、中々の雄姿。しかし、我がフォースの前にどこまで通用するか。…おそらく、狂戦士となった彼は、思考能力はそこまで無いはず。ならば、この手で行くしかない】

ドゥークーは、そのまま驚いたふりをし、策の実行に移し始める。熟練したかれなら、その作戦は確実にうまくいくものだった。

 ドゥークー「おお、これはこれは素晴らしい。私が力で叶うはずがなさそうですな。これは、我が師に報告するほかなさそうですな。」

 イリヤ「お分かりなら結構。そう伝えたほうがあなたも懸命よ。聖杯戦争はもう終わってるんだから、私のことなんか諦めたほうがいいわよ。」

 ドゥークー「そうですか。いやはや、私は確かにあなたの暗殺をマスターから頼まれたのですが、理由はよくわかっていないのです。何せ、わが師は何を考えているのかよく分からない人なので。」

急に態度を改める彼に対して、イリヤは何かしらあると咄嗟に感じた。…しかし、明らかに様子が変だとは分かっていたが、一旦相手の行動をよく見ることにした。…しかし、一体何者なのだろうか?自身をサーヴァントであるということをばらした上に【彼女が魔力で感知したところ、どうやら本当にそうらしい。】聖杯戦争という儀式が行われていないのにも関わらず、自分を殺害しようとしたこと。更に、明らかに作戦が稚拙なところだ。