サーヴァントと助っ人 13

そもそも、彼女が異変に気づいたのは、城の外で騒ぎが起こり始めてからだ。外で警備していた使い魔が、何者かが侵入したと知らせたと同時に、外から爆発音や何かが四散する音が聞こえてきた。何が起こったのか理解でき無かったが、強力な魔力反応を持つ何かが、この城に侵入したということだった。

 イリヤ「全くなんなの?こんな時間に派手な挨拶かしら?…こんな強力な魔力反応、滅多にお目にかかれないわね。ま、こんな派手な侵入をしたからには、それなりの覚悟があるのでしょうね。なら、バーサーカーと一緒に行く必要があるわね。なら、この城を見張る人がいなくなっちゃうのは心配だわ。」

彼女はすぐに指を鳴らすと、彼女がいる部屋に、彼女のメイドが部屋の扉に開けて入ってくる。イリヤは二人にしばらく城から出ることを言いつけ、外であたりを警戒させていたバーサーカーと共に現場に向かった。

そして今に至る。目の前にいる老紳士を見ながら、派手なことをしてくれたものだとしみじみ感じ入る。

 イリヤ【しかし、本当に変ね。このお爺さん、何を考えているのかしら?】

それもそうだろう、作戦を考えているのは、この老紳士ではなく、彼のマスターなのだ。マスターは、伯爵にこの屋敷に侵入し、この城に住まう少女を暗殺するということしか言っていないのだ。 

 

皇帝「さて、我がアプレンティスを試しに送りこんでみたが、これほど強力な従者を従えていたとは驚きだ。…さて、ならばやることは一つだぞわが弟子よ。」

この戦いを、気配を消して高みの見物をしていた彼は、自分の弟子の可能性を見極めていた。もし、ここで倒れてしまうようであれば、彼にシスの資格は全くない。彼がどのような対応をとるか、それが今の彼にとっての楽しみでもあるのだ。

 皇帝「恐らくは気づいておろうが、さすればこの局面、そなたに有利になる。…余を失望させるでないぞ。」