喫茶店 アーネンエルベ 16

 式「ん?何が。」

 とら「なんか、【直死のなんとか】というておったじゃないか。…話を聞いただけだと馬鹿げとるぞ能力は。」

 式「ああ、【直死の魔眼】のことか。ま、これは後天的なものだ。オレが十代後半位ん時に事故に遭ってな。目覚めたらこんな能力が備わってたって…ああ、もうその話はしたんだったな。」

彼女のもつ能力…それがこの【直死の魔眼】というものだ。彼女の言う通り、この能力が備わったのは学生時代に事故に遭ってからである。二年間、事故後に昏睡状態にあった彼女が目覚めたときに身についた能力。それが、この直死の魔眼である。それは、【物を殺す能力】と言われる力だ。

説明するとこういった能力だ。彼女は、ものや人の【壊れる線】というものを意識すれば見ることが出来るというもの。そこに【刃物】などの【断ち切るもの】で断ち切ってやれば、その物【又は者】に【死】の概念を与えられるのだ。斬るのではなく、モノを殺す。つまりは、切断とか斬るとかそんな話ではなく。この世から完全消滅させることが出来てしまうのである。これは、彼女の目を移植しても使うことが出来ず、彼女と彼女の目をセットにしないと使えない能力だ。

 犬夜叉「ああ、なんかそんな話あったな。なんか便利そうな能力だなとは思うけどよそれ。それさえあれば、【奈落】の野郎をぶっ倒せそうなんだが。」

 式「ああ、さっき話してたあんたらの追ってる妖怪だっけ?でも、話を聞く限りではそいつ、いろんな妖怪の寄せ集めなんだろ?そういう場合、多分一匹分ずつぶった切っていくってことになるかもしれないんだよな。」

そうか、それは残念。犬夜叉とかごめは少々残念そうな表情を浮かべていた。

 犬夜叉「あーそうか。しょうがねぇな。今まで通り、別の方法で考えるしかねぇってことだ。」

そう、後ろばかりは振り返ってられない。ならば、前を向くのみだ。さて、そんな話をしている6人だったが、話がここで進み始める。六人とも、ある共通点のことについて話し始めた。それは、この事件に関わっているであろう妖怪のことであった。

この話の続きは、5-3章から始まることとなる。それまで、話は別の視点から進むことになる。