朝 1

朝になった。恐らく、アメリカでもっともクレイジーな町である【デスシティー】のとあるホテル内の敷地にある野外運動施設。そこで、山本誠一という名の日本人はいつも通りのルーティンを始める。右手に持つは銀の棒状の金属器、左持つは、黒の同じ形の金属器。そして、彼は立ったまま瞑想をしている。

 山本【…いつも通りだな。どこであっても、自分は自分。いつも通りにやるだけだ。】

そのまま、彼は両手を下げて金属器を握りしめたまま、体の前に出す。そして、金属器から激しい電撃の音が鳴り響き、突如それは始まった。彼は、両手に持つ光線剣【白閃】で、自分が用意した人型の的50体めがけ、激しい戦闘が始まった。彼の剣技の練習はこれでも序の口レベルということらしいが、この時点でももう常軌を逸しているとしか言えない無いようだ。何せ、かれの用意したこの人型の的、全部戦闘用のロボットなのだ。しかも、全員達人向け。それを、彼は一人で50体も相手するのだ。本当は、数を倍にして且つ陸海空全に特化したロボットを用意した方が、流石にあきらめたようで、出来る範囲で彼が時空省から拝借できる分で我慢した。

 

彼の動きは、流麗な動きかと思えば急に直線的になり、と思いきや今度は変則的な動きにという常人では真似できない動きであっという間にもう15体ほど撃破してしまった。あまりの音に、どうやら朝7時だというのに一体何事かと思った人たちが、こぞってこの場所までやってくる。黒い剣士ガッツもその一人だ。

 ガッツ「なんだあいつは。派手なことしてやがる。」

流石の彼も、彼の動きに驚愕の表情を浮かべるほかしかない。一体どうやって両手であれだけの複雑な動きをすることが出来るのか、歴戦の兵【つわもの】である彼にも全く理解ができなかった。