冬木 ある剣豪将軍の回想

剣豪と名のある者は日の本には数多く存在した。しかし、【剣豪将軍】と呼ばれたのは自分だけである。はじめ、この時代に召喚されたのはあの老人のサーヴァントと自分の二人だけであった。自分がこの時代 【サーヴァント】として召喚されたのはまさに子のためなのだろうが、何やらその男は少々不満げなきもちだ。

 ?「さて、このような山の中に誠にあのような茶屋があるとは驚きだ。正確にはそうではないらしいがな。どうやら、あの者が言っていたように、予定通りの輩【ともがら】がやってきたようだ。さて、余を喜ばせてくれるものがいるかどうか楽しみであるな。しかし、まだ立ち合いは禁止されているのは非常に残念で仕方がないが。」

 

立派な鎧をきたその男は、この時代のことについて色々と興味を持ち、色々と調べ回ったが、何故であろうか。どれもこれもあまり面白みがない。何故であろうか、皆活力を失ってしまったような気がするのだ。そんな彼に入ってきた朗報は、手練れの者がこの冬木に集ってきたということだ。だが、まだ自らが手を出すわけにはいかない。

 

 ?「だが、それはそれでよいのかもしれぬな朋よ。あの者たちは、これからさらに多くの英雄がこの街に集わせるための囮らしい。

余はあまりそのような謀略は好きではないが、さてさてどうなることか。」

そのまま彼は、霊体化し、その場を去ることとした。これから始まる大いなる戦いの序章を楽しみにしながら。

 

そして、その大いなる戦いについて、山本が、この事件の勃発から辻谷の救援に駆けつけるところ。そして、彼らが再び冬木にたどり着くまでのこの大事件について、語ることとなる。