幕間1 マーリンの語り

その原因を探るために、カルデアはレイシフトを行うことを決意。適性のある魔術師を集め、実際にそれを行おうとしたところまでは良かったんだけど、何者かが装置を爆破し、魔術師たちはその爆発に巻き込まれてしまったのだ。

 

そこで、ある人物に白羽の矢が立つ。その人物こそ、藤丸だったのだ。

 ゼーナ「なんとも、前途多難ね。恐らく、誰かがその爆発を引き起こしたとかそんな感じかしら?」

 マーリン「その通り。その人物が、皮肉なことに、カルデアの職員の一人だったんだ。しかも、正体が【魔人柱】という人外の化け物というおまけ付きでね。ま、敵さんに仕組まれていたというわけだ。」

 ゼーナ「仕組まれていた、ね…。あ、そうそう、その藤丸という青年。一体何者なのかしら?ただの一般人とは思えないんだけど?」

 マーリン「それがだね。…ただの一般人なんだ。かれは。」

成程、それは驚きだ。要は、只の一般人が世界を救ったというわけなのか。…そのようなことがあってたまるものか。彼女はすぐさまマーリンに食って掛かる。

 

 ゼーナ「いやいや、そんなことあっていいの?ありえないでしょう?」

 マーリン「いやいや、それが驚くことに、そういっても差支えがないんだ彼は。一応、彼もカルデアのマスター候補としてそこにいたわけなんだけど、彼は一般公募で選ばれて魔術に関する知識はからっきしだったんだ。」

 ゼーナ「そうなのね。なんだかここまで聞いたところだと、前途多難じゃないかしら?

 マーリン「いや、だからこそ、良かったんだ。寧ろ、凝り固まった現代の魔術師連中でなくて心の底からよかったと思う。何でかって顔してるけど、君もよく知ってるんじゃないかな?この世界の、この時代の魔術師の腐敗っぷりは。」

 

 何故だろうか、頭の回転が速い彼女はその台詞で彼が何を言いたいのかすぐに理解できた。