幕間1 マーリンの語り 3

 マーリン「なんということだ、君に言われるまで最も大事なことを忘れていたなんて…というより、そんなことを忘れるかな普通?」

そう、普通なら絶対にありえない話だ。普通ならば。しかし、普通でないならば、それはありうるということなのだ。

 ゼーナ「さて、思いだしたところで、話を進めさせてもらうわ。あのロマンもどきはこれからどうするつもりなのかしら?どうやら、彼らの味方らしいけど?どんな行動をとるかしらね?」

 マーリン「ああ、うん。そうだね。恐らく、当分は彼になりすましてサポートを続けるんだろうけどっ…て、今の今まで私の記憶から存在を消していた彼は一体何者なんだ?」

 

驚いたことに、千里眼の能力者である自分をしても見破れなかったことが彼にとっては非常に衝撃的だったのだ。

 

 ゼーナ「やっぱり、あなたには見えていなかったということね。これが、銀河に広がる【那由多銀河】の力の一つという訳かしら?ま、そんなことはまた後で語らう機会があれば語らうということで、そろそろ私もお暇しなくちゃいけないわね。」

 マーリン「ええ、このタイミングで立ち去ろうとするのかい?偽ロマニ彼の正体に関しては読み手のみんなも気にするだろう?僕も気になるし。」

 

 気になるマーリンをよそに、彼女は不思議な笑みを浮かべるのみ、その顔は、普段いたずら好きな人を逆にからかって喜ぶ幼馴染とも、全てを覆い隠す謎の人物とも取れた。寧ろ、この場合、完全に後者としか言いようがないのだが。

 マーリン「と、私が引き留めても君はこの場から去ってしまうのだろうけど。うーん、せめてこのアヴァロンの庭をもう少し楽しんでからというのはダメかな?」

と、提案したが、ここで横やりが入る。ゼーナと共に活動している【マダラ】その人である。