幕間1 マーリンの語り 6

一体いつからそこにいたのだろうか?初めからマーリンは彼がそこにいたことを知っていたため驚くそぶりをしていないものの、【グランドアサシン】と呼ばれた彼は、存在を完全に消していた。そう、あのマダラをしても完全に気づかなかったのだ。しかし、何故彼は気づくことができなかったのだろうか?その者の格好は、大剣を構え、全身を覆うほどの甲冑に髑髏の仮面をつけたいでたちは、明らかに威圧感を放っているというのに、不思議としか言いようがない。して、彼は、低く、落ち着いた声で淡々とマーリンと語り始める。

 

 アサシン「世に害悪をなさんとする者であることは間違いなきことである。しかして我が大剣をふるうということでは無し。もし、ふるうときが訪れるとするなれば、世を混沌に導きし時であろう。その時あればすべからくあの者の手助けを致そう。

 マーリン「うーん。そうか。しばらく様子見というところでいいのかな?」

 アサシン「左様。今は静観の時なり。機が来れば、我は幽谷より馳せ参じよう。

 

そう言い残して、グランドアサシンはこの場から立ち去っていく。今度こそ、この理想郷に残されたのはただ一人、マーリンのみとなった。

 

 マーリン「さてと、皆それぞれ動きだしたところで、私はみんなの行く末を見守っていこうかな。これを読んでるみんなも、これからどうなるかを私と一緒に見ていこうじゃないか。」

マーリンは、再びいつもと変わらないように、人類史の観察を再開する。さて、今回の事件はどう転がるか、彼は少し楽しみでもあるのであった。これからどうやってあらゆる偽物から元へと到達できるか、今は見守るだけとしようと。