カルデアにて 1

マーリンからの話はここで終わりである。それと同時に舞台はカルデアへ戻ることになる。一同は、山本がここカルデアへ始めて霊シフトするであろう直前のところまで話が進んだ。話に出てきた謎のサーヴァントのことや、妖怪の正体。気になる話が大量である。まずは、順序良く話を進めるのが一番だ。テレパシーで山本がロマンに扮した謎のサーヴァントと会話したところまで話は進んだ。ちょっとした間のことであったが、彼の様子がどこかおかしいと思ったマシュは、山本に声をかける。

 

 マシュ「すみません、どうかいたしましたか?一瞬何考え事をしているように見えましたが?」

どうやら、テレパシーの時間が考えていたよりちょっとだけ長くなってしまったようだ。やはり、通信機越しだとタイムラグがかかってしまうようでうまくいかないものである。マシュには、そのわずかな時間で起こった山本の動作に違和感を覚えたようなので、彼はなんとかして誤魔化そうとした。

 

 山本「ん?いやいや、何でもないよ。ちょっとした考えごとしてただけ。」

 マシュ「ふむふむ、そうですか。もしかすると、山本さんはこれからのレイシフトに緊張しているせいで、無意識のうちに考えごとをかもしれません。ここは、気持ちを落ち着けましょう。」

 

そういう風に受け取ってくれたなら、ここはそれで通してあげようじゃあないか。そっちの方が、後々面倒なことにならずに済みそうだ。…そして、レイシフトの適性がないメンバーは他の店舗でしばらく休憩することにして、私はそのままレイシフトすることになった。

 

そして、山本が到着したのは2015年、どことも知れぬ雪山にある施設、カルデアに到着したのである。

 山本「…と、いうわけで、悲しいことにレイシフトの適性があったのは自分だけという悲しい現実が待ち受けたわけだ。元就公、すまない。」

 藤丸「そうみたいですね。現実は非常であるとはいいますけど。」

 マシュ「仕方ありません。寧ろ、適性がある人の方が少ないのでおきになさらないで下さい。」

そういうことにしておこう。そうじゃないと、なんだか私も悲しい。