幕間1 マーリンの語り 5

 マーリン「それはそれは。残念だけど、お話はここまでにしておかないとダメか。折角のお客様だったんだけど、それは残念だなぁ。…仕方ない。君たちが人類滅亡とか考えなかったら私は大人しくしておくよ。」

 マダラ「流石にそこまでは考えてはおらん。寧ろ、俺が望むのは逆だ。むしろ救済だろう。この女は除くが。…さて、その言葉を聞いて少々だが安心した。お前まで出てこられたら困るというのが正直だ。」

 マーリン「そうかな?もしあなたと戦闘するようなことになったら、どう考えても、あなたのほうがはるかに強い気がするのだけど?」

 マダラ「残念だが、まだ俺は本来の力を十二分に引きだせないのでな。今は、こうしてスカウト員としてあらゆる次元を飛び回る日々だ。」

 

彼には、何かしらの深い事情があるらしい。未だに戦闘ができないのはマーリンも気がかりではあった。それに、先ほどの意味深な言葉。なんとなくマーリンは察しが付いたものの、何やらそのことについて深く突っ込むと後々面倒なことになりそうなのでここでは黙っておくことにした。

 

 マーリン「ふむ、それは大変だねぇ。応援するよ、敵にいうのもなんだけど。」

 マダラ「その言葉、俺は正直に受け取っておこうとおもう。どちらにしろ、今回はカルデアの妨害を受けることは必然だろう。お前が心配せずとも、奴らは止めに来るはずだ。だが、俺たちはやり遂げる。俺のためにも、あの女のためにもな。」

 

 そのまま、マダラの周りの空間がゆがみ、そのまま二人はその歪みに吸い込まれていった。マーリンは二人を見送った後、アヴァロンの庭には再び静寂が広がる。

 

 マーリン「…ということらしいけど、【あなた】は止めにいくのかな?【グランドアサシン】。さっきの空間を使ってここへやってこられたみたいだけど。」