冬木へ戻る聖職者  1

 ゲーニッツ「さて、冬木へ戻ってきたのはいいですが。」

 言峰「残念なことに、収穫は何もなかったな。石版に書かれてあったことは何だったのかわからんな。」

 プッチ「ふむ、これでは元の木阿弥といった所か。」

三人は、冬木の街から離れた言峰教会へ戻ってきていた。さて、結局何も得るものもなく、学園都市という所に行っても何もなし。困ったものだ。と悩みを抱える三人組。

 

 言峰「しかし、まだ魔王とかいう者の動きはないのであろう。なら、それまで情報を集めれば何とかなる筈。」

 プッチ「そうだ。しかし、そう簡単に情報が手に入るとは言えぬな。どうやら、学園都市の話も偽情報であったからな。」 

 ゲーニッツ「流石に、こればかりは上手くは往かぬでしょう。全く、どうすればいいのか。」

天気がいい日に悩める聖職者一行。折角の良い天気にも関わらず、気持ちはどんよりとした曇りだ。そんな中、この三人が知らない中、教会の外で何やら話をしている者たちがいた。

 

 ?「おや?何かしら悩んでいるようだ。普段は悩みを聞くような人たちがそんな顔は似合わない者じゃないかな?」

 ??「まぁそういった言い方は良くないのでは無いかな朋よ。何のために我々が此処に来たのかよくわからないではないか?」

 ?「それもそうだ。さ、とっとと中に入ってしまおう。悩める聖職者のために。」

 ??「ハハハハ。なら、余はここで待っておくとしよう。細かいことはそなたに任せるぞ朋よ。」

どうやら、教会の外から何者かの声が聞こえてくる。どうやら、声の主は二人いるようである。しかし、教会の扉を開けて入ってきたのは一人の中年男性だった。もう一人は、外で待機するようである。

 

 言峰「おや?この時間に客人とは?一体何者かね?」