冬木へ戻る聖職者 3

 言峰「ほう、そういうことか。アーデン、とかいったかね。君はもしや、魔術師なのかね?」

 アーデン「ま、そんなところだ。ま、訳があって俺も石版を探しているってこと。といっても俺は魔術協会とは関係ないといっておこうかな。」

 プッチ「魔術協会とは関係ないのかね?なら、君は協会に追われているとかそんな身なのか?」

 アーデン「いや、そもそも俺はこの世界の人間じゃないんだよねぇ。ほら、君たちも知っているんでしょ?この世界で何が起ころうとしているのかを。」

 

そうやら、相手はこちらのことをよく知っているようだ。そう、彼らもこの世界で何か異変が起こっているということをゲーニッツから話は聞いているからだ。

 

 ゲーニッツ「ふむ、ということは、もしや、あなたも平行世界から来たということなのかね?あの魔王を追って。」

 アーデン「ま、そんな感じだと思っていていいよ。正確にはちょっと違うけどね。んじゃ、俺も忙しいからここまでにしておくよ。俺もこれから忙しくなるからね。また会える機会を楽しみにしているよ。」

 

そのまま彼は、右手の人差し指と中指を立て、頭の近くで簡単にさよならのポーズをしたのち、そのまま教会から去っていった。

 言峰「アーデンか、一体何者なのであろうな?」

 プッチ「私にも、それは分からない。言えることは、少なくとも敵ではないだろうということだ。しかし、この石版に何が書かれてあるのか、正直気になるところでもある。見てみるとしましょうか。」

 

さて、ここで困ったことが起こる。この石版、全く読み手に読ませる気がしないということが一目見ただけで分かってしまったからだ。