英雄集結 15

三人組は、あの時の絶望感を思い出して顔がやや青くなっていた。

 王ドラ「いやぁあの時はもう終わったと思いましたね。もうどうしようもない感じが凄まじくて。」

 ハヤテ「ええ、22世紀の科学でもどうしようもないことってあるんだなぁということが分かって何とも言えない気持ちになりましたねぇ。」

 キッド「ああ、もしも藤丸たちがきてなかったらどうなってたんだろうなぁ。」

それもそうだろう。目の前には体長数十メートルはありそうな巨大な泥の怪物が立ちはだかっていたらそれはもう絶望しかない。

 

 その当時の三人の表情たるや、絶望で顔が真っ青になっていた。三人は、その瞬間人生の終わりを考えていた。

 目の前の泥の怪物が、こちらに向かって歩いてくる。その影響か、海が大きくゆらめき、こちらに波状となって押し寄せ始める。次第にこちらへ地数いて行き、遂にはすぐ眼前まで押し寄せてきた。もういっその事楽に人生を終わらせてくれとまで思うようになっていた。その怪物は、数メートルもあろう腕をこちらに打ち下ろし、小舟ごと三人組を沈めようとした。そして、辺りには静寂が響き渡る。ああ、もう何もかも終わったんだな、最後はこんな終わり方なんだなあという気持ちでいっぱいである。この静けさがそうだ、もうすぐしたら、花畑とか、川とかが見えるんだろうと思っていた。

 

 …が、どうやら何も起こらない。三人が気づいたときには、一体どうしたことであろうか、怪物の両腕が完全に何かに斬られてしまっていたのか。