逃亡劇、そして復活 4

ケフカという人間は、あたかも、見た目通りただの道化のように見える。が、それは彼の真実の姿とは程遠いものである。道化師、すなわちピエロといえば、このような恐ろしい話がある。アメリカ合衆国の話である。1970年代、全米を震撼させた【ジョン・ゲイシー】という男がいた。彼は、計33人の少年を強姦した後に殺害したという狂気の産物としか思えないような人物だ。

 彼は、普段はとても生真面目な男で、その勤勉さのおかげか、軽建築業の事業を成功させ、人生を軌道に乗せていた。が、彼はある種の多重人格症であり、【4人の人格があったという】そのうちの一人が殺人を犯したと本人は語っている。そんな彼だが、ピエロに扮して、福祉施設の子供たちに慈善事業をしているときは安らかな気持ちだったという。

 

 …一体何が言いたいのかというと、ケフカという人物は、恐らくは、いや、この男以上にこの男以上に残虐な人物であるということだ。…そうだ、話によると、この山本という男は、以前、相当なトラウマを抱えており、それを再び思い起こすことがあれば戦意を喪失するはずだと考えた。ケフカは、山本に対し、ある種の幻覚を見せることとしようと画策を始めた。