逃亡劇、そして復活 5

 ケフカ「ほーん。なるほどねぇ。結界を先に解除して仲間をとっとと引き入れたほうが楽だわねぇ~。…確かに、外にもうお前の味方が到着済みっていうのは、どうやら互いに気づいていたか。」

 山本「いや、俺が気が付いたのはついさっきだ。やっぱ、こういう追い込まれた時こそ、よく周りを見渡して、まず一旦何をすべきか考えるべきだと思って、一瞬外を見たんだ。するとだ、外は外であんたの仲間と、俺を救援しに来たんだろうなっていう人たちが交戦中だったから、これは行けんじゃないかって思っただけだ。」

 

 ケフカ「なるほどねぇ。そりゃその年であんな大組織のナンバー3になるわなぁ。…いや、次官ってあと数人いるんだっけ?まあいいわ、上から三番目だからそれでいいわな。…と、話がそれちまった。…確かに、その狙いは悪くねぇなぁ。」

 

なぜであろうか、山本は急に背筋に悪寒を感じた。ケフカの顔は、ひょうきんな道化師とは全く違う、おぞましい一面をのぞかせ始めていた。

 

 ケフカ「だがよ、俺がそんなことまでお見通しってこと、もしかして気が付いていなかったみてえだな。」

無論、これははったりである。が、それはそれでケフカの作戦通りであるようだ。山本は、知らず知らずのうちに、いつの間にか幻覚にかかり始めていたからだ。