逃亡劇、そして復活 29

 式は、とっさにその気配に気づき、銃弾の直撃を避けることはできた。が、狙いは完全に外した。無論、そのせいでフレイザードに完全に気づかれてしまった。

 フレイザード「へっ、いつの間に俺の首を取ろうとしていた奴がいたとはな。が、ワイアットのおかげで何とかなったみたいだがな。」

 フレイザードは、炎の半身から炎の魔法【メラ】を彼女に雨霰と放つ。が、式も炎を見切り、躱しながらその魔法を切り裂いていく。

 

 式「チッ、これじゃ無理だ。…ったく、もうちょっとってところで邪魔が入っちまったな。」

 フレイザード「残念だったな。もうちょっと辺りを確認してりゃ俺の首をかけたかもしれなかったけどよ。そうはいかなかったみたいだな。」

 式「ま、そういうことらしい。残念だけど、ここは退散させてもらうぜ。…でも、あんたもオレを逃すことはないんだろ?」

 

フレイザードは、式の言葉ににやりと笑う。そして、彼は満面の笑みでこう答えた。

 フレイザード「そうだ!ここは戦場。強いものが勝つ場所だ。そこには、男も女も関係ない。少なくとも、お前は俺に襲い掛かってきた。ということは、俺と勝負するということ!!なら、勝たせてもらう。何としてでもな!」

 

成程、こいつは想像以上に厄介な奴だ、と瞬時に悟る。そうこう考えているうちに、茂みに隠れていたのだろうと思われるワイアットアープまで現れた。