逃亡劇、そして復活 51

 すると、少女は彼に敵意がないということ、そして、これは単純なことなのだが、いいひとそうだという理由で彼女は口を開く。

 少女「あの。この森に悪いものがいっぱいきたの。それをいっぱい追い出してほしいの。」

 葉「うーん。悪いものって、もしかしてあそこにいっぱいいるモンスター達のことかな?分かった。お兄ちゃんたちに任せてよ!」

と、葉は二つ返事で快諾した。少女は、安心したのか。ほっとした雰囲気を醸し出す。しかし、彼はその違和感にすぐさま気づいた。確かに、わずかであるが、彼女の心の中は静かながらもある程度の感情はあるのだろう。しかし、表情にほとんど変化というものが無いのだ。そして、葉は彼女の正体について、わずかながらに気づき始めていた。

 

そうして、葉が二人っきりで話をしている中、阿弥陀丸が駆け足で戻ってくる。葉は阿弥陀丸のほうを振り返り、彼の顔を見ると、大慌てで焦った表情を見せていた

 阿弥陀丸「葉殿!どうやら敵がこちらに向かってきたようです。」

 葉「わかった。ついにその時が来てしまったみたいだ。あ、そうだ。ねぇ君。ここはお兄ちゃんたちに任せてって…あれ?さっきまでいたあの子がいないね?」

 阿弥陀丸「ん?先ほどのあの子ですか?そういえば、姿を見ませぬな?一体いずこへ?」