欺瞞 3

しかし、いつのまにカルデア内に敵がいたのか?全く見当もつかない。ひとまず、他の皆がどこにいるのかを探すところから始めることにしよう。もし、敵の大群が潜んで居ようものなら一瞬で不利になる。が、案内図は全く当てにできないのはつらいところだ。

 

 山本「仕方がない。こういう時は、迷った時のために何か目印となるものが必要だな。」

山本は、すぐさま魔術を用いて数字の1が刻印されてある鋲を作り出す。それを、食堂の入口の扉の横に張り付けた。

 山本「まずは、ここを起点として考えよう。あとは、これを基にして自動で地図を製作するアプリを使って。これでよし。…さて、スタートするとしよう。」

準備が整った。あとは、25世紀のスマホパワーを信じて先に進むとしよう。

 しかし、果たして本当にどうしてこうなった?本来ならば、21世紀で休暇をとっていた筈なのだが、一気に休めなくなってしまった。どこからおかしくなったのだろうか?かの錬金術の世界の事件からだろうか?あれもなかなかに派手な事件だ。時空間犯罪者の事件の中でも屈指の規模だっただろう。恐らく、奴らも敵の同盟の一部だ。だが、それだけではない。…山本は、何かを思い出しそうになっていた。歩きながら考えるが、もう一歩のところで思い出せそうにない。…それに語りかけられる前までは。

 

 ?「思い出せないか?夢の中の私を忘れたとは…。残念だ。」