5章 終

山本は、暗がりの部屋で明日のことに考えていた。ほかに何か抜けていることはないか?…イリヤスフィールには冬木市内の調査をお願いしているから問題はない。タイムマシンの中でまとめた資料も問題なし。後は寝るだけだ。しかし、本当に静かだ。このカルデアには多くのサーヴァントがいるという話を聞いてはいるものの、本当にそう大勢の仲間がいるのだろうか?自分たち時空省のメンバーもいるというのに、本当に凄い施設だ。

 

 …今日はそれにしてもしゃべり過ぎた。いや、本当によくしゃべった。

…だが、なんだろうか。何か忘れている気がする。いや、何かは思い出せないのだが一体何を忘れているのかも思い出せない。ということはあれか、気のせいという訳か。…まぁ何かあったとしても明日には思い出すだろう。兎も角、あの時の忠勝たちに助けられて…さて、あれからどうしたっけなぁ。確かどっかでまた落ち合ったはずなんだけど。…まぁいいや、またどこかで会う機会もあるだろうし。もうひと眠りしよう。

 

そうして、彼は再び眠りにつくことになる。歪な世界で多くの獲物に狙われながら。

全てが虚であり、真実でないことを知るのはもう間もなくであった。