片翼の天使 10

 ベン「そのためには、出来るだけ早く我々が用意した場所へ移動させねばなるまい。幸い、邪魔するものはいなくなった。さて、儂は早速彼に伝えるつもりじゃ。」

 六道仙人「儂も彼らを早くあの森へ導かねばな。さて、では互いに無事を祈るとしよう。」

 

そうして、作戦は開始された。まず、六道仙人はクラウド達の前に姿を現すところからだ。さて、どうして姿を現したものか、ちょっと悩んでから早速行動に出た。

 六道仙人【さてさて、先ほどの話は聞いたであろう。わしの声は聞こえるかな諸君?】

 

 クラウド「どこからか声が聞こえる!?」

 アルカード「私にも聞こえた。どうやら、テレパシーのようだが、誰だ?」

 

6人とも辺りを見回すと、確かにその人物はいた。その目には、波紋のような模様と勾玉模様が重なり合ったものが浮かんでいた。そして、その姿は、どこか山伏のような恰好をした老人で、威厳を感じさせる人物であった。そして、その老人は、座禅をしたまま宙に浮いているのである。

 ビリー「うわ!いつの間にそんなところに!…って、おじいさんいったい何者?」

彼の反応は正しいだろう。突然、目の前に仙人が現れたらさすがのサーヴァントも驚くだろう。

 六道仙人「まぁそう驚くのも無理はなかろうな。わしの名は大筒木ハゴロモ。別名六道仙人という者だ。其方たちの前に姿を現すのは、世の安寧秩序を其方たちならもたらすことができると踏んだからだ。」