片翼の天使 21

 山本「まさか、共通の敵がお前とはな。驚きだ。」

 セフィロス「そうだろうな。だが、私からすればこれは必然だ。…そうだ、お前と語る前に、少し用があったのだが、少し襲われてしまってな。」

 

人類の歴史上屈指の英雄であるヘラクレス相手に、少し暴漢に襲われたぐらいにしか思わないような口調で話すほどの余裕を見せるのがこのセフィロスという男である。2メートル50センチもある巨体相手に、セフィロスは簡単に相手したということなのだ。

 

 山本「人類最強クラス相手にしてその余裕か。いつもながら化け物だ。」

 セフィロス「いや、そうでもない。まだ私はこの男を5回しか殺していないからな。」

 ここで解説するが、サーヴァントヘラクレスは生前の活躍から、固有スキル【12の試練】というものを所持している。これは、自身に対して11回死んでも生き返るというすさまじいものである。要は、彼を倒すには12回殺さねばならないというのだ。大抵のサーヴァントは、それを達成するまでに英霊の座に還されることになるだろう。因みに、死んでしまった分は、一日一カウントで生き返るということらしい。

 

が、セフィロスは余裕の表情ですでに5回殺していると言い切っているのだ。いきなりすさまじいことを言ってのけるのがこの男の恐ろしいところか。