片翼の天使 22

 巴御前【あのヘラクレス殿をもう既に五回も斃しているというのですか!いや、そうでしょう。あの時でさえ、我々が束になっても敵わなかったのですから。】

 

ここで彼女の回想に入る。あれはいつも通り平和な、というとおかしな話なのだが、その日は珍しく平和な朝を迎えた。

 現在、カルデアは、【彷徨海】と呼ばれる場所に拠点を移し、活動している。場所は北海【要は北欧のどこかの海】のどこかにあるのだが、問題は、完全な異世界にあるという事実だ。わかりやすくいうと、入り口は北海にあるが、その先は異世界につながっているというところか。

 

 活動内容は、地球白紙化現象というものの解決。どうやら、この世界線では、地球は異星の神とやらの襲撃を受け、まっさらな白い大地が広がっているという状況らしい。生き物は完全に存在しないというありさまだ。そして、その神は、白紙化した地球に元々カルデアに所属していた7人の魔術師を利用し、7つのあり得たかもしれない人類史【異聞帯】と書いて【ロストベルト】というものを作り出した。そして、それを利用して、その異聞帯というものに、【空想樹】なるものを生やして自身を降臨させるようにしているらしい。

 

結構謎がまだまだ多いらしく、何故そのような手順を踏んでいるのかは今のところ謎が多い。そんな状況だが、現在カルデアがある場所【彷徨海】は影響を受けていないようで、現在はここに拠点を移し、サーヴァントたちもここで活動している。