片翼の天使 29

回想はここまでにしておこう。あの幻を思い出すのは…あの惨状を思い出すのはもう勘弁願いたい。ということだ。

 

 一同はこの後のセフィロスの言葉に驚愕する。が、二人のサーヴァントはむしろそうだろうとも思った。そう、カルデアの英霊たちでは束でかかってきても勝つことができなかったからだ。

 セフィロス「さて、正直な話、お前たちにもう用はない。本来なら、この冬木におけるヘラクレスと戦うつもりはなかった。そして、お前たちともだ。」

 山本「何?!セフィロスカルデアがこのような状況になったのはお前のお前の母の仕業だろうが!」

 

彼の怒りの言葉に、セフィロスはそのまま振り返りこの場を後にしようとする。

 山本「待て!!このままお前はどこに行こうとしている!!」

彼の怒声に対し、セフィロスが返した言葉はただこれのみであった。

 セフィロス「お前は未来にいったん戻れ。そのあとすぐにこの冬木へ、そしてこの阿僧祇の闇へ戻ってこい。そして、異界の多くのものを集め、俺の所へ舞い戻れ。」

 

彼はそう言い残すと正宗を振り返りながら素早く降りぬく。そこから放たれるのは無数の銀色をした真空の刃、これを三人は防ぐので精一杯であった。そのうち一つが、突如腰を痛めて立てていないモリアーティを襲う。