欺瞞 5

 山本「まさか…いくら何でもお前がこの星にいるのは正直驚きだセフィロス。今度はこの星を狙って活動を始めたということか?この星で多くの犠牲者を出してなお己の欲望をかなえようという訳か!」

山本は、セフィロスに対して激しい怒りをぶつける。しかし、セフィロスは山本の反応を見ても表情一つ変えることは無い。寧ろ、セフィロスは山本を煽り返すセリフを吐く。

 セフィロス「己の仲間を救えぬ輩に言われる筋合いは無い。どちらにせよ、あの時のまま成長していなければ不可能な話だ。」

と冷たく言い放つセフィロス。山本はそんな彼に魔術による炎柱を突き立てる。が、セフィロスはその場から消えていた。

 セフィロス「ふっ、訂正しよう。もうあの時のお前とは違うという訳か。魔力があの時と比べて格段に上がっているな。何がお前を強くした?」

 山本「あの時の悔恨…だろうな。あの時、自分の力不足をいまだに心の奥底に抱えているんだ。その時の自分に対する怒りでね。」

 

怒り、と言いつつも、山本の言はどことなく寂しげだ。それは、言い換えれば自分の怒りを八つ当たりしているのと全く同じだ。そして、怒りだけではないほかの理由もあった。

 山本「…いや、それだけじゃない。それだけじゃ自分に負けているからね。怒りだけではいな。それじゃあ只の子供だ。そこから、本当の強さ…そう、人に勝つだけじゃあない。どこかで慢心してた自分に勝つ。そうして、そう、過去の自分も含めて誰にも負けないという心が自分を強くしたんだ。」