冬木編 はじめはアインツベルン城25

彼の軽口から発せられた嘘を見抜く。何がガンナーだ。確かに、そういったエクストラクラスは存在するらしいという話は時空省で聞いた。が、今の彼では絶対にありえないなと思う。カルデア召喚式ならそのクラスで呼ばれよう。だが、今は違う。恐らく、生前の伝承からしてあいつのクラスはあれしか思い浮かばない。

 山本「何が正義のガンマンだ保安官殿。っと。」

話し込んでいる間に、横から君麻呂が襲ってきた。君麻呂は、腕の骨から剣を作り出し、一瞬で山本のすぐ目の前まで迫ってきたのだ。

 君麻呂「すまないが、僕たちを無視して話を勝手にしないでくれるかな。」

と言われてしまった山本。うむ、確かによくはない。そういう彼は、彼本来の調子を取り戻してきたことを実感していた。今まで苦戦ばかりしていたというのもあるが、今は気持ちが大変軽い。その余裕は相手の能力をもとにその正体について見破るまでになっていた。

 

 山本「成程、かぐや一族の生き残りか。成程、骨を自在に操る能力。初めて見るよ。」

君麻呂の攻撃を数回捌いた山本。そして、余りのことに驚く君麻呂。それもそうだろう、光剣一本で君麻呂の攻撃を躱し、もう一方の光剣をワイアットに投げ、鬼二人に対しては魔術で攻撃と一度にそれだけのことをやってのける器用さだ。驚く方が普通であ

る。