決戦 アインツベルン城 24

?「残念。そこまで考えていたのはよかったけど、この城実はまーだ人がいるんだよねぇ。ま、僕は妖精だから人間じゃないけど?」

突如、何かの鱗粉がカヤたちに降りかかる。どうやら、何者かが撒いたものらしい。そこに現れたのは、美しい蝶の羽を持つ、メルヘンに出てくるかのような光の妖精の王子そのものだった。

 ?「っと、間に合った間に合った。ふぅ、良かった。サーヴァント【ルーラー】、妖精王オベロン。カルデアの助っ人として参上した!!どうだい、かっこいいだろう?」

 

オベロン。イギリスの古代文献、もしくはシェイクスピアの小説【真夏の夜の夢】に登場する妖精である。妖精を統べる王としてたびたび名が挙がる存在。カルデアには、イギリス異聞帯と呼ばれる世界で出会い、そのあと仲間になった英霊である。

 カヤ「何!?妖精王だと!オベロンか?儂も一応聞いたことはあるが、まさか、あの組織は人外魔境かなにかか?」

 

と驚くカヤに対し、ほっとしたのは蔵馬達である。

 蔵馬「いや、助かりました。ありがとうございます。しかし、驚いた。伝説上の存在だと思ったオベロンが助っ人とは。」

 オベロン「いやぁ、僕からすると妖怪である君も十分驚きだけど、いまはそういうわけにはいかないかな?ま、ボムはもう爆発することはないから安心できるかな?僕の鱗粉ですやすや眠っているからね。」

 

さっきの鱗粉の役割は、ボムを眠らせるためである。要は、攻撃しちゃいけないなら眠らせて戦闘不能にした方が早いというわけだ。

 葉「成程、これなら安心して相手と戦えるわけだ。」

 オベロン「ま、それもいいけど、妖精王は出来るだけ暴力的なことはしたくないかなー。てなわけで、ここは【宝具】で終わらせようかな。」