再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 22

と、そんな義理堅い彼である。カルデアでは主にドラゴンスレイヤーとして活躍する機会があるが、そもそもその魔剣と本人の戦闘能力が高いため、一線級で活躍している。…そんな彼と共に戦う円卓の騎士も相当な力を持つ。

 

 ガウェイン。相手を軽んじる事も侮辱する事もなく、相手が力量不足であってもその戦意、覚悟をくみ取り、礼節をもって相対する。王の前では影に徹し、ひとたび号令が下れば颯爽と戦場に赴き、涼やかな笑顔で勝利する―――まさに理想の騎士。『太陽の騎士』や『忠義の騎士』と呼ばれることもある騎士。アーサー王の甥であり、アーサー王の影武者、そして王が倒れた場合の代理候補の一人であった。もっとも彼本人は周囲からの評価も意に介さず、あくまでアーサー王の右腕であり続けた。
そんな生前のガウェインの最も大きな失態といえるのがサー・ランスロットとの確執である。

ランスロット卿に兄弟を殺されたばかりか、あの黒騎士は王さえ裏切った。王の妻を拐かしたのだ。許せるはずがあろうか」(なお、ランスロットが兄弟を殺害した事に関しては受け入れたが無抵抗の騎士を殺害した事に激怒したという話もある)

主君であるアーサー王は最終的にランスロットのことを許したが、彼はどうしてもランスロットを許すことができなかった。そのランスロット卿への憎しみが故に、彼は破門されながらもカムランの丘に馳せ参じようとするランスロット卿を拒み続け、最終的に王を戦死させる遠因を作り、自らも落命することとなった。
アーサー王がカムランの丘で自戒し聖杯を求めたのと同様、ガウェインもまた死の淵で思った。