再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 66

オベロン「馬鹿な!こんな有様になるとかいったいどういうことなんだ!?」

 アルトリア「オベロン!見てください!あちらにマスターの出身と同じ国のサーヴァントがいます。」

 オベロン「ああ、彼女は確か【沖田総司】だったか?…重症だ。彼女ほどの剣の使い手があれだけの傷を負ってるなんて!?」

 アルトリア「まずは、彼女を安全な所へ、カルデア中、激しい戦闘のせいかボロボロになっているようなので、上から瓦礫が落ちてくかも。」

 オベロン「なら、ボイラー室に行こう。見てきたところ、あそこは無事そうだからね。」

と、ぐったりしている彼女をボイラー室に運ぶ。ボイラー室、というとなんだか殺風景なイメージを持つが、カルデアの場合かなりことなっており、日本出身の英霊達によって黄金の茶室へと変貌しているのであった。

 斎藤一「おや、妖精王とアルトリアちゃん!よかった、君たちは無事みたいだね。」

 茶々「うん、けがもなくてほっとした。」

 森長可「ああ、今こんな事態だからな。二人ともいいタイミングで帰ってきたな!後であいつボコすための人員増えてよかったぜ!!」

と、冷静な対応をとる、新選組三番隊隊長とお転婆な少女をしり目に、織田信長配下の一族、森家の長男はもう既に話が飛んでセフィロスにかちこむ気満々である。

再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 65

そんな二人だが、先ほどの展開の通り、レイシフト【というカルデアの時空間移動方法、過去に行くことができる科学と魔術が合わさることによってできた技術。】先である中世イギリスにてのやりとりだ。

とある森のなか、小妖精たちと会話できる二人は、カルデアに持ち帰るための食糧を探すために彼らの手を借りていたのだが、その時急に今回の事件の報が入って来たのだ。立体映像越しに、切羽詰まった様子で状況を伝えるカルデアスタッフ。話を理解した両名は早速カルデアにもどる準備を開始する。

 

 オベロン「あり得ない話だ。虚数空間だぞ?!いったいどうやって侵入するっていうんだ?」

 アルトリア「この世の表側にないから虚数空間っていうのにってことだよねオベロン?うーん、相手もとんでもない魔術師とかそういうことなのかな?でも、いったいなぜカルデアを襲撃したのかな?」

 オベロン「まぁ一言いうならとんでもない野郎ってことさ。…でも、白紙化された地球にそんな奴いるのか?別世界から来たってのならまだ理解できるけど、ひとまず戻ろう!話はそこからだ!」

 

そうして全力で戻る二人。その先に待っていたのは、信じられない光景だ。サーヴァント達が、僅かひとりの漆黒の剣士によって屈服しているというあり得ないものだった。

再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 64

さて、この先に進む前に、この二人を紹介するとしよう。先ほど登場した二人、オベロンとアルトリアという二人の妖精についてである。

妖精…というと小人のようなものを想像しがちだが、どうやら人間以上の力を持つものので、神以下の能力を持つ存在の総称らしい【もともとは、ラテン語のfata,即ち運命という意味から】。確かに、オベロンは身長174センチの青年の姿をしているし、アルトリアも154センチの16歳の少女の姿をしている。

この二人は、カルデアが6番目に攻略した異聞帯で出会ったコンビだ。オベロンは、我々人類史において妖精の王として伝えられる存在だ。その姿は、ファンタジーやメルヘンに登場するような光の王子様。青年というには可愛すぎるし、子供というには凛々しい顔立ちをしている。頭が切れるので、カルデアの頭脳担当の一人。

もう一人は、アルトリア・キャスターという金髪翠眼の小柄でかわいらしい少女。妖精國ブリテンをすくための旅をカルデアマスターと共に繰り広げ、真の黒幕【ヴォーティガーン】を打倒した。年齢は16歳ほどの【楽園の妖精】と呼ばれる存在。カルデアのマスターとは仲が非常によく、彼とマシュ、そしてオベロンと一緒にいる姿を目撃されている。

 

再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 63

マダラはそうしてセフィロスの戦いぶりを見ることになった。彼も又、セフィロスがどれほどの強さを持つか、そして【己に匹敵する者】かを見極めようとしているのだ。

 そのセフィロスは、ギリシャ勢をせん滅したのち、もう既に次の目標を定め移動を開始していた。

そのころ、カルデアのマスター二人は、自分たちの部屋でじっとしていた。

 始皇帝【さて…二人の様子はというと…。うむ、何事もないな。】

 スカサハ【何とか、マスター達にはばれないように、モニターを偽造するようにルーンをかけておいた。…ゴルドルフから無線が入って来た光景をマスターに見せるわけにはいくまい。…さて、次の戦闘が始まったという連絡が来たか。】

 

と、何やら二人で話し込んでいるのをマスターは疑問に思い、二人に何かあったのかを訪ねる。

 藤丸「どうしたの二人とも?何かあったの?」

 立香「うん。何かあったみたいな顔をしていたけどどうしたの?」

 スカサハ「いや、どうやらもうすぐ敵との決着がつくようだ。何者かは知らないが、我々はサーヴァント。必ずや、お前たちを守る者だ。」

 

その言葉には、いつもより強い語気に満ちていた。まるで、二人を心配させないかのように。



再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 63

マダラはそうしてセフィロスの戦いぶりを見ることになった。彼も又、セフィロスがどれほどの強さを持つか、そして【己に匹敵する者】かを見極めようとしているのだ。

 そのセフィロスは、ギリシャ勢をせん滅したのち、もう既に次の目標を定め移動を開始していた。

そのころ、カルデアのマスター二人は、自分たちの部屋でじっとしていた。

 始皇帝【さて…二人の様子はというと…。うむ、何事もないな。】

 スカサハ【何とか、マスター達にはばれないように、モニターを偽造するようにルーンをかけておいた。…ゴルドルフから無線が入って来た光景をマスターに見せるわけにはいくまい。…さて、次の戦闘が始まったという連絡が来たか。】

 

と、何やら二人で話し込んでいるのをマスターは疑問に思い、二人に何かあったのかを訪ねる。

 藤丸「どうしたの二人とも?何かあったの?」

 立香「うん。何かあったみたいな顔をしていたけどどうしたの?」

 スカサハ「いや、どうやらもうすぐ敵との決着がつくようだ。何者かは知らないが、我々はサーヴァント。必ずや、お前たちを守る者だ。」

 

その言葉には、いつもより強い語気に満ちていた。まるで、二人を心配させないかのように。



再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 62

さて、五人組がそうして水面下で動いているところ、カルデアでは、地獄が展開されていた。もう既に、その影響か、地下にある図書館にも地響きが伝わってきていた。

 

燃え盛る炎、響き渡る咆哮。もう既に多くのサーヴァントが二人の怪物に相手をしたが、悉く敗れ去った。ギリシャの英霊達もそうだ。

 カイニス「くそ!俺達でも駄目ってのかよ!」

 カストロ「あきらめるなカイニス!カルデアギリシャの英傑が揃った今なら不可能はないはずだ!」

そう、先ほど全ギリシャ英霊がカルデアに帰還したということで、その戦力を用いてセフィロスと対峙していた。が、それも次の瞬間全てが無に帰す。

凍てつく氷河、激しい地割れ、落ちる雷霆。全てが必殺の威力を誇る上、あの剣技も合わさるともはや災害級だ。それは、完全なる厄災という物でしかない。もう止めることは出来ない。相手は、世界を滅ぼさんとした怪物。その脅威は、すべてを終わらせんとしていた。

この様子を傍から見ていたマダラは驚嘆していた。

 マダラ「さて、もう一仕事していくか。石板はまた今度でいいと先ほど奴がテレパシーで送ってきたが…その代わり、ゼツに今回のことを記録させるついでにこの戦いを楽しむとしよう。」

再臨・片翼の天使 ノウムカルデア 61

 気づいたときにはすでに遅し。手元には二枚なければならない筈の石板が一枚しかない。

 ゲーニッツ「…というわけです皆様方。仕方がありません、カルデアとはこれで一旦おさらばする必要がありますね。…といいたいところですが、ここはもう一戦交えなければ出られそうにありませんね。…しかし、私はこの石板を無事に送り届ける役目がありますね。プッチ神父も待っていることですし。」

 ウェンティ「分かった。僕たちがセフィロスを撹乱すればいいというわけかな?」

 蛮「いや、あのバケモン止めるって出来んのかよ?…ま、ほかに助っ人がいれば出来ねぇことはないとは思うが?」

 銀次「いや、流石にあれはやばいと思う。人間じゃないしあれ。」

 ブギーポップ「僕ならワンチャンスあるかもだけれど、やっぱり人では欲しいな。それに、カルデアのマスター、気になる人物だ。ここは話を聞けたら聞きたいが。」

 プッチ「その前にカルデアに助力しましょう。セフィロスを放っておくと厄介です。撹乱しましょう。…一応、不死鳥殿には私がリーダーということでよろしくといわれていますので、ここは彼女の面目躍如のため頑張らねばなりますまい。ふふふ。」