第4章 プロローグ  1

時は、西暦190年代の中国大陸。栄えていた漢王朝は、斜陽の時を迎え、世は乱世となっていたていた。その時代をかけ抜け、散っていた最強の名を欲しいがままにした男がいた。その男の名は呂布、成人後に付ける名前である【字】を奉先という。中国の小説家【羅貫中】が書いた小説【三国志演義】の序盤に登場する彼は、作中最強の武勇を誇る人物として書かれている。主人公である劉備関羽張飛を同時に相手をしても互角であった彼だが、最後は曹操の知勇によって滅んだ彼は、多くの人物が登場するこの作品の中でも印象深い人物である。

時を超えて、21世紀。誰が時を超えて復活すると信じていただろうか?しかも、この世ではなく、【尸魂界】と呼ばれる世界で。尸魂界とは、死んだ人間の魂を【魂葬】という儀式により成仏させる【死神】と呼ばれる職業の人々が暮らしている世界だ。そこに、時を超え、空間を超えて、この男は突如現れたのだ

 呂布「しかしだ陳宮。強い奴が出払っている状態とは実に詰まらんな。」

赤兎馬という全身の毛並みが赤く染まった馬にまたがり、黒い鎧に身を包む彼のいでたちは、周りに威圧感を与える。

しかし、彼に仕える軍師【陳宮】は、彼の武勇に狂喜乱舞していた。

 陳宮「いやいや呂布殿。おかげで、おかげでこの者から情報を聞きだすことができましたぞ!さて、これからどうするおつもりですかな?」

呂布は、自分よりはるかに背の低い陳宮を見る。問いに答える一言は、これしか存在しなかった。

 呂布「無論、俺の武勇を見せつけるのみ!行くぞ!すべてを蹴散らしてやれ!」

こうして、伝説の飛将軍【呂布】の復活劇がここに幕を開けるのであった。 

 そして、もう一つの侵攻戦も幕を開けようとしていた。