異世界侵攻録 逃亡と進行 1

 陳宮は、嬉々とした表情で勝利報告を行うために、自らの主君のもとへかけ足となる。そんな彼だが、陰から自分を狙おうとする者たちがいることに気づいてはいなかったようである。

 ?「話を聞きつけて駆けつけてみれば、何ということだ。」

 ??「ええ、これは想像以上です義兄上。恐らく、戦術的にはこちらが完全敗北しているかと。」

 ?「どうやらそのようだな。うかつだった。こちらの留守を狙うとは、敵は相当なやりてというわけと考えたほうがよかろう。」

他の部隊から緊急の報を聞きつけ、慌てて駆けつけた【朽木白夜】とその義妹【朽木ルキア】は、事の惨状を目の当たりにする。目下には、轟音を立てながら渦巻く水流が、あたり一面を飲み込んだのだろうと推測出来るほどの、おびただしい水死体が広がっていた。

 

 白夜「しかし、水計とはしてやられたな。ここは通路が密集している場所だ。この場所に洪水が起これば、一たまりもないことをあたかも知っていたかのような手際さだ。」

 ルキア「確かに、ものの数十分でここまで被害をこうむるとは、普通考えられません。やはり、ここはあの軍師から直接吐いてもらうしかありませんね。」

二人は、所有する斬魄刀を手にかけ、背後から陳宮を狙おうとする。自分たちの方向へ向かっている彼を、塀の裏から襲撃するという算段だったが、その動きさえ陳宮は読んでいた。

 サーレー「おっと、まちな!陳宮の大将を狙うのは分かっていたぜ、朽木白夜と朽木ルキア!」

二人の前に現れたのは、一人のイタリア人であった。蟹のような髪形をした青年は、完全にそちらのことを把握しているといわんばかりのしたり顔を見せる。

 白夜「ほう、我々のことも知っているようだな。やはり、相手はかなりこちらを知り尽くしているとiいうことがこれで分かったな。」

あたりはまだ騒々しさが残る中、ここでもまた争乱の種が広がり始めようとしていた。一方、逃亡中の元就たちはルガールの追跡を逃れ、時空移動機のもとへと無事たどり着くことが出来たようだ。