暗黒卿 3

 そのまま三人はその魔法陣の上に乗り、大空洞の最深部へと一気に移動する。そこには、不気味に光る謎の物体が堂々と立っている。その前には、この戦いの首謀者【ゼーナ】博士が作った小さい作戦会議室兼研究所が立っていた。

 

 皇帝「ふむ、つまりはあれのことか。中々に不気味よな。

 マダラ「確かにな。見てくれは完全に悪趣味だが、サーヴァントを呼び出すための魔力装置としては十分機能している。その点は安心だ。…だが、やっぱり一抹の不安しかないのは気にしてはならん。」

 

そのまま会議室に入ると、そこには、銀色の長髪をたなびかせる美女が何やら複雑な機械に目を向けて神経をとがらせているようだ。滑稽なことに、その横には何故かコーヒーカップが並べてある。どうやら、彼女が彼らのためにコーヒーを入れたようである。

 ゼーナ「…これは、そうか、違うのか。…いや、こうすればよりよいサーヴァントを呼び出せるかもしれない…ん?どうやら、おかえりのようね。いらっしゃい、コーヒー入れてあるわよ。」

 

コーヒーが入れてあるのは別に構わないのだが、この会議室、座る場所がないのだ。普通、ゆっくりくつろぎながら飲むものではないのかということを正直に言えず、ここは仕方なく立ったまま飲むことにした。仕方ない、突貫で作ったのがここにきて不便さという形で出てきているようだ。ここは我慢しておこうということに三人はひとまず落ち着いた。

 

 マダラ「…そうか、ありがたく頂いておこう。…二人とも、良かったら飲んでも構わんのだが。」

 皇帝「そういたそう。たまには、こういうのも悪くない。…不思議なことだが、この黒い飲み物を見つめているとな、私が元老院議員として働いていたことを思い出してな。…と、これ以上話すと余計な会話になりかねぬ。余がこの場に戻ってきたのは報告のためだ。

 

 二人は、コーヒーが入ったマグカップに口をあて、少しコーヒーを飲んだ後気持ちを落ち着け、互いの連絡報告を始めた。