暗黒卿 4

 ゼーナ「そうそう、互いの報告をしないといけないわね。どう?とりあえず召喚したあのアメリカンなサーヴァントはどんな感じだった?」

 皇帝「悪くはない。印象としてはそんなところか。…だが、あれではこれからの戦いが非常に不安としか言えぬ。しかも、予定外のことか起こってしまったな。

 マダラ「ああ。どうやら何者かがほかのサーヴァントを呼び出し、我々のサーヴァントにぶつけてきたようだ。恐らく、この世界線だと、このようなことが出来るのは【魔術協会】とかいう組織だろう。」

 

ここで、用語解説としよう。魔術協会とは、この世界に存在する組織である。この協会は、魔術の【秘匿・発展】そして【魔術の根源に至るために集まった魔術師の集まり】だ。本部は倫敦【ロンドン】にあるのだが、一般人はこの組織の存在を決して知ることはできない。何故なら、強力な情報統制がされてあるからだ。

 

 ゼーナ「ええ、私も始めはそう思っていたのだけど、どうやらその線は薄いわね…。」

 マダラ「ほう?それは一体どういうことだ?」

 ゼーナ「それが、奇妙なことに別の聖杯の存在を感知したのよ。しかも、これは別世界から持ち込まれたものみたいなの。…しっかし、こんな所業誰が始めたのか知らないけど、こちらが召喚予定のサーヴァントと同じ数召喚してきたの!」

 

その言葉に、先ほどまで表情を崩さなかったモールという青年も驚愕の表情を浮かべる。しかし、初めに言葉を発したのは、彼ではなく、彼の師であり、自らを【皇帝】を称する老人だった。

 

 皇帝「ふむ、奇妙なことだ。…もしや、これがそなたが言っていた【抑止】の力ではないのかね?

ゼーナは、老人の目をじっと見つめ始める。その眼は、まさに学者が自分の興味を持ったものをじっくり観察するそれに近いものだった。

 ゼーナ「…そうよ!その筋があったわ!…このままだと私何も報告することがないところだったのよ。」

ゼーナは慌てて何かの機械を回し始める。しかし、一体何をしているのかは良くわからない。…これだから科学者はと文句が言いたい一行だったが、仕方ないので、マダラは自分の報告を始めだす。