暗黒卿  6

突然、ドアノブから音がしたと思うと、扉がそのまま開いたではないか!そう、扉が開かなかったのは、誰かが彼らと同じように扉を開けようとしていたからだった。

 

 マダラ「…そうか。そんな単純なことだったとは、俺も老いたな。」

マダラのその言葉に、扉の向こうに立っている男性が、少し身を屈めて研究所の中を見る。この男性、一言でいい表すならば、背の高い老紳士といったところであろうか。黒いローブを着ている老人とはいい意味で好対照な印象を受ける。背はまっすぐに伸び、整えてある白い顎鬚が立派だ。また、気品もある。この老紳士、自分のことをダース・ティラナスと呼び、彼の兄弟子である モール【自分よりはるかに年下だが】と同じように、ダースを名乗っているのも特徴だ。

 

 ティラナス「いや、私もまさか同じ間違いを犯してしまうとは。フォースを使わなければこのようなことにならなかったのでしょうが。」

 マダラ「いや、それも無理だろう。この場所はどうやらフォースの力が弱くなってしまうようだからな。…それよりも、我々は一旦外に出たいのだが、そこをどいてはくれぬか?」

 ティラナス「おお、そうでしたな。では、私は少し下がるとしましょう。少し、この【掘っ立て小屋】に用がありましてな。」て

 

そのまま、ティラナスと入れ違いになるような形で、マダラたちはこの小さい研究所から外に出ることとした。そして、マダラはそのまま魔方陣の方向へ移動しながら、先ほどから話そうとしていたことを話し始めた。

 

 マダラ「…さて、やっとこの場所から出られそうだ。…これでやっと話したかったことに踏み込める。…そうだ、確か、こちらにやってきている者についての話だったな。」

 皇帝「…そうだったな。…その二つの集団について分かっていることを話してくれぬか?

マダラはその老人の言葉に少し反応する。一応、【者たち】とはいったものの、具体的にそこまでは言及してはいない筈なのに、どうして分かったのか。

 マダラ「…どうして二グループと分かった?」

 皇帝「フォースを侮ってはいかん。先ほどお主と歩きながら話している間にも思考を読ませてもらってな。ひゃひゃひゃ。