人理保証機関カルデア 4

山本「そうですか。今はその話は置いておきましょう。それよりも、みんな自分の話を聞きたいということらしいのですが?」

彼の言う通り、皆彼の話を今か今かと待ちわびている。」

 ダ・ビンチ「そうそう、みんな君の話をキリンみたいに首を長ーくして待っているんだから、早く話してくれないと楽しみが減るからね。それに、君の話を聞けば、何かしらヒントがあるかもしれないからね。えっと、確か喫茶店のところまで話が進んでいったのは他の人から聞いてるよ。君たちの時代で途轍もない異変が起こっているという純然たる事実も聞かせてもらった。しかし、どの時代でも面倒なことって起きてしまうものなのかい?」

 

残念なことに、彼女の言う通りだ。今回のような事件が起きてしまうというのは自分たちのせいでもある。このような大事件を止められなかったのは、組織がしっかりと機能していないことが原因だ。

 

 山本「残念ながら、そういわざるを言えません。いつの時代も悪党という者は腐るほどいるから鼬ごっこが続いているのが現状です。この時代でも、何者かが人類史を抹消しようと躍起になっていたようですが…」

 ダ・ビンチ「そう。ほんと数日前までの話だ。そのおかげで、この時代の人達は一年間分記憶が完全になくなるぐらいのことが起きてしまって大変だ。」

 

成程それは大変だ。そんなこと、恐らく人類の歴史でありえなかったことだろうな。自分もそんな話は聞いたことがなかった。

 辻谷「いやぁ、そんなことってあるんですね…何故だろう。我々の時代にはそんなこと伝わってないのは何故なんだろう。」

 ダ・ビンチ「恐らく、どこかの誰かさんがそのことに関する情報をもみ消したんだろう。ま、やるのは魔術協会の連中しか考えられないけどね。でも、そっちの方が私としてもいいかもしれないとは思うけど。」

 

さて、そんな話をしているうちに、皆あることを聞きたくてずっと我慢していた。それは、彼女のことについてだ。