泥田坊 2

食事も全員済ませたようで、いつでも出立は可能なようだ。ただ、急に出るのもそれはそれで問題である。まずは、喫茶店にいるほかのお客さんの邪魔にならないように、一同一旦外に出ることにした。

 

 冴羽「おいおい、あの姉ちゃんたち外に出ていっちまったぜ。」

 郭嘉「うん、そのようだね。…どうしようか、山本次官の情報とは関係ないとはおもうけど。ここの喫茶店のことだ、きっと何か私たちを導いているのかもしれないと思うのだけど?」

郭嘉の口ぶりからして、ここのことをいかにも知っているような感じだ。一体何を考えているのか、冴羽はその軍師の素敵な笑顔のせいでごまかされてしまった。

 冴羽「導かれてるねぇ…。この喫茶店、よっぽどの代物ってわけか。…ま、このままここにいても何もねぇからな。しかし、あの式とかいう姉ちゃん。よく見たら相当な美人だったなぁ。でも、依頼を受けたわけじゃねぇから正直動きずれぇんだよなー。」

 郭嘉「それなら、こっそり後をつけて見ようじゃないか。もしかしたら、何かあるかもしれないし、悪くないと思うのだけど。」

 

その物腰柔らかい喋り方から伝わる強い意志が、冴羽にひしひしと伝わってくる。仕方がない。ここは、この天才軍師殿についていくことにしよう。

 冴羽「そうだな、悪くないな。そしたら、勘定済ましたら出るとすっか。」

ふたりはそのまま喫茶店を出ることになり、言った通り勘定を済ませてこの喫茶店を去ることになった。

 

 ジョージ「さて、若者たちはこの喫茶店から去ってしまったわけだが、私はただ見つめるのみだ。さて、彼らはこのままどうなるのか。成長してくれれば私としてもうれしい限りだ。」

こうして、この街の名物、喫茶店アーネンエルベは今日も絶賛営業中である。