泥田坊 3-3

これでは仕方がない。一行は、少々残念な顔をいたが、このまま悩んでいたところで仕方がなかろうということで、次にどうするかを考える必要が出てきた。

 マシュ「さて、どういたしましょう。この付近でこれだけの人数がいられそうな場所があればいいのですが。」

 山本「ん~そうだな。この辺なら大きなショッピングモールとかもあるだろうし。その辺で適当にレストランを探すというのも…。」

さて、そのままここから離れ、違う場所でこれからの行動を決定しようかと移動するところ、こんな話声をふと耳にする。

 

 女性「ねぇねぇ、最近夜に不気味な声が聞こえるらしいけどほんとかな?」

 男性「らしいね。特に、南の森の近くの道路でそんな話があるらしいけど、まぁそんなの迷信だよ。」

ほかにも、こんな話声が聞こえてくる。今度も、似たようなはなしだ。

 

 男子学生1「おい、聞いたか。最近、夜の未遠川近くでへんな声が聞こえるって話。」

 男子学生2「聞いた聞いた。俺も聞いたんだよあの川の近くで。なんか、返せ~返せ~って聞こえるらしいな。」

ふむ、かえせ~ね。山本は、日頃の勘で事件の香りを嗅ぎ取る。もしかすると、自分がこの街に飛ばされたのはもしかするとこのためなのかと。山本は考える。今は夕方4時、もうすぐ夜だ。

 

 山本【ふむ…どうしようか。このまま敵陣に突撃するのは良くない。】

怪訝そうな顔をする山本の顔をみて、ランサーが何か気になることでもあるのかと声をかける。

 ランサー「ん?どうした。なんか気になることでもあるのか?」

 山本「…ん?ああ、ちょっと気になることがあってね。ああ、ちょっと気になることがあってね。ただ、やっぱり休憩するところが欲しいな。」

 立香「それでしたら、カルデアに移動するというのはどうでしょうか?…あ、でも、移動するにしても、そう簡単にレイシフトできないんだった。…どうしよう。」

心配するのも無理はない。レイシフトとは、簡潔に言うと人間の体を一旦分解して目的の時代でまた再構築するというようなものである上に、適性があるのだ。非常に難しい話である。