泥田坊 4

 山本「そうだねぇ。う~ん。悩みどころだな。なんてな。実のところ、自分はレイシフトの経験があるのさ。」

彼の言葉に驚いたのは、カルデアの二人だ。レイシフトを経験したことのある人間がほかにもいるとは考えてもいなかったのだ。マシュは思わず声がひっくり返りながら山本に声をかける。

 

 マシュ「これは驚きです!未来にはあなたのような人がいっぱいいるのですか!」

 山本「いやいや、そんなにはいないよ。いや、むしろいっぱいいたら怖いよ。…まぁ、なんというか、ま、自分も昔いろいろあったのさ。」

 

さて、ここで具体的にレイシフトを行う際に必要なものは何なのかというと、以下の二つの説明が必要となる。

一つ目は、事象記録電脳魔・ラプラスだ。

1950年に完成した全知の悪魔の名を冠する、カルデアの発明の一つである。レイシフトの転移に於いて、マスターを保護する役割を持つ。カルデアスを通して、地球で起こった様々な事象の情報を収集する電脳の使い魔らしい。

 

もう一つは、霊子筐体と呼ばれるもの、コフィン。レイシフトする際に用いる用具。コフィン無しの状態でレイシフトした場合、高確率で「意味消失」と呼ばれる現象が発生する【どういった現象かって?まぁ、その辺はお察しください】。シフトの成功率が95%を下回ると電源が落ちるというブレーカーが付いている。また、コフィンの内部にいる人間を凍結保存する機能も付いている【山本の時代ではそんな機能はないらしいが】。 レイシフトには原則「コフィン」によるサポートが必要なのだが、ごく低確率ではあるが生身でもレイシフトはできる。逆に「コフィン」は前述の通り成功率が一定値を割ると、自動的にレイシフトを中止する安全装置が組み込まれている。

 

さて、流石に山本も一人では時間移動はできないので、時間移動を行う際に、時空省の機器が故障した際にこれの改良型で時空移動をしたことがあるのだ。ついでに言うと、未来では最初のラプラスは不要である。