妖怪退治 中 1

 一方、事件があらかた片付いた時空省日本支部では、事件の後始末が行われていた。今日一日でいろんなことが起こったため、皆疲労の色を隠せずにいた。勿論、時空省に迷い込んだ面々も同じくである。その状況を只見守ることしかできなかった、300【スリーハウンドレッド】と呼ばれる、平行世界から来た仙人を名乗るその人は、ただただ何とも言えない状況に閉口していた。

 仙人【やれやれ、こればかりは儂の今の力では何もできん。今は、かの若者たちに任せるとするか…ん?あそこにいるのは時空省のアメリカ局にいるとかいう【アーデン】という男では?】

仙人は、間違い無くそこにかの人物を見たはずだったのだが、その男は、気が付くとすぐに姿を消してしまった。変だ。自分は姿を隠して正体をばらさないようにしている筈なのに気づかれてしまったのか?よくわからないが、彼は姿を消してしまっていた。

 仙人【一体あ奴、何故この場所に来たのか?大統領の司令かなにかか?…わからん。仕方ない、今は、この日本の状況をよく見ておくこととしよう。】

 彼の眼下には、もともと奇怪な姿をしていた時空省が、テロの影響でもっと奇怪な状況になっているのを見て何ともより奇天烈さに拍車ががかったように見えていた。幸いなことに、それとも不思議といった方がいいだろうか?これだけ派手なことになっているのに、死者は零人、けがはあのテロリストに対峙したエドワードたちだけだったのだ。彼らも、けがは軽く、警察や国連軍の人たちにある程度事件の状況を説明したのち、片づけの手伝いをしていた。

 職員A「おーい、そこのシャーマンの少年!ちょっと手伝ってくれないか!」

 朝倉葉「は~い。今行きますよー。」

 国連軍の人B「おーい、そこの錬金術師の兄ちゃんたち、こっち来てくれないか?」

 エドワード「はいはい、今行きますよー。…なんだかえらい一日だったな。…いや、昨日から散々だったか、いや、セントラルの一件からこんな感じか俺達。」