妖怪退治 佳境 10

これは、想像以上に厄介なことになりそうだ。4人は、恐らくこれから想像を超える事態を覚悟したほうがよいと悟ることになった。

 鬼太郎「ふーん。これは、本当に泥田坊だけで終わる案件なのでしょうか?何か、嫌な予感がするのは気のせいでしょうか?それに、さっきからほかの皆さんの姿が見えない気が。」

 

鬼太郎の感じたことは決して間違いではない。それは、ほかの者たちもそう感じ始めていたのだ。両儀式もその一人だ。彼女も、異変に気づくが、どうやら、すでに手遅れだったようだ。

 式「ん?そういやほかの奴らの姿が見えねぇな。そういや、なーんかあたりが静かだなーとか思ってたら、周りに人誰もいなくなってんな?…あぁあ、なーんかめんどくさいことになってきたってことでいいのかこれ?」

辺りを見渡すと、どうやら先ほどの商店街の姿をした、全く別空間であるとすぐに気づくことが出来た。空は赤く光り、辺りは霧のようなものが立ち込めている。ただでさえ奇妙なところに、どこからか声が聞こえ始める。

 

?「それであってるぜ、やる気のねぇ喋り方する嬢ちゃん?うまーいこと行くもんだねぇ。この辺で騒ぎおこしゃ、何かしら釣れるって思ってたら、あの蒼崎っていう人間の魔術師の知り合いが連れるとは。傑作だ傑作だ。」

 

見えないところから、語りかけるものに対し、彼女はけだるい声でめんどくさいと言わんばかりの態度で返答する。

 式「なんだ?橙子の知り合いか?あいつにこんな魔術使える友人いたのか?」

 ?「残念だが、その人間に直にあったことはない。が、俺達【妖怪】にもよく知られた存在ってこった。人形使い、んーと、おーとまたとか言ったな?日本じゃ中々いねぇからな。そんな珍しいやつ、当然この【かまいたち】様も知っているってわけだ。」