逃亡劇、そして復活 57
離れてみていた面々は、山本の剣劇に驚嘆する。白閃流のうちの一つ、白閃一刀流の技。その奥義の一、瞬光。この技は、居合なのだが、普通の居合とは明らかに違う点が一つある。それは、その距離にある。
式「しっかし驚いた。あの距離を一気に、居合の態勢で移動したって。」
そう、その距離にある。明らかに、居合をする距離ではないのだ。その距離、実に50メートルも離れている。
犬夜叉「へぇ。あんなことできる人間っているんだな。」
かごめ「いや、たぶん世界広しとはいえ、あんなこと出来るの彼だけじゃ…」
それもそうだろう。なぜ奥義たるのかはそこにある。一気に数十メートルの距離を超速で詰め、相手を切り捨てるという奥義なのだ。
フレイザード「そんな隠し玉を持ってとはな。まさかお前。今まで本気を出していなかったのか?」
フレイザードは、なめられていたのではないかと憤慨したが、山本はそうではないという。
山本「いや、それは違う。何せ、今の技を出すためには距離を開ける必要があったからね。君たちは炎と雲。そのうちの雲を吹き飛ばすためにはそれを散らすほどの技を出す必要があった。それだけだ。無論、君にも対専用の技を放とうと思っているけどね。」