逃亡劇、そして復活 58

 式【いや、素であんなこと言っちゃってるけどあんたのほうが強いだろどう考えたって。】

と、冷静に突っ込みを心の中で突っ込むのであった。

 フレイザード「ま、そうだろうよ!俺たちは…て、そうじゃない!おいおい、やられちまったのかよヘルクラウダーさんよ!うそだろあんた!俺たちの中では最強クラスのモンスターじゃなかったのかよ!」

 

ヘルクラウダーは、雲散霧消しかけている中、わずかな力を振り絞るようにしてしゃべる。

 ヘルクラウダー「むぅ…思った以上にやるようだ。わしも完全に見くびっていたようだ…む、あ、あれは。」

 

突如、空間が捻じ曲がり、そこに現れたのは仮面をつけた、全身マント姿の男であった。

 マダラ「全く。相手が人間だからと言ってお前たち魔物というやつはすぐに手を抜く。勇者と呼ばれる奴ではないと本気を出せんのか?」

 ヘルクラウダー「む、自然にそうなっていたのかもしれんな。マダラよ、確かにお前の言う通りだろう。…と、いいのか?お前は自身の正体を明かしていない奴のほうが多いだろう。何せ、身内の【暁】にもお前の正体を明かしていないというのに。」

 マダラ「気にするな。今日は、あの連中にあいさつに来ただけだ。」

マダラは、山本と、ちょうど助けに駆けつけたほかの面々に指をさす。そして、片目の部分だけ空いた仮面から【写輪眼】をのぞかせ、にらみつける。