逃亡劇、そして復活 64

まず、自分は静観して争っている二者間の動きを観察し、戦力を減らしてから襲い掛かった。

 部下を派遣し、どの時間に隙が生まれるのか、徹底的に調べ上げ、毎日わずかな時間、ある拠点が十数分留守になるということを突き止めた。そして、彼は実行に移した。

 マダラ「それが、我々の大群をコントロールしている中枢制御室だったというから驚いた。まぁ、本部をやられたわけではなかった故にまだ立て直しがききそうではあるがな。が、今は無理だ。…と、いう訳でだ。今は見逃してやってもいいという訳だ。俺はそう思っている。」

 

少なくとも、敵の状況はよく理解できた。…が、これは罠ではないだろうかとも山本は感じていた。やはり、何か企んでいるのではないかということだ。

 山本「へぇ、ここまで派手にやって見逃すって、正直そんなことありえないと俺は思うんだが?どうなんだ、うちはマダラ?」

 マダラ「そう思うのが普通だろうな。が、事実、無理だ。俺がここでお前たちと戦うというのもありだとは思ったが。悲しいことに、この俺はもはや形骸化した姿。どうあがいてもお前たちには勝てん。それに、モンスター達も撤退を開始しているうえ、どうしようもない状況になっている。…もう俺がこの場所に固執する理由はないのだ。」

 

マダラは、空を見上げて、黄昏る…ふりをしながら相手の出方を見ていた。