拳を極めしもの 10

 猗窩座「…へっ、へへっ。」

猗窩座の様子が、どうもおかしい。間違いなく、彼は先ほどの衝撃で、いくら鬼とはいえすさまじいダメージを負ったはずなのだ。しかしながら、彼は下を向いたまま何故か彼は笑みをこぼしていたのだ。

 猗窩座「いや、なんでだろうなぁ、なんでだろうなぁ。こんなに楽しいのはいつ以来だろうなぁ!」

そして、その笑みは、次第に大きくなっていく。そして、その声は無限城一体に響き渡るようになっていった。

 猗窩座「ㇵッハッハッハッハッ!!!!!いいじゃねぇか。最高だぜあんた!!!!こんな人間がこの世にいたなんてなっっ!!!こいつは最高だ!!。…いいぜぇ!俺も本気出さねぇとな!!」

 

と、叫んだとともに、先ほどまで動けなかったのがウソだったように、一気に豪鬼に近づくやいなや、無数の連打を浴びせ始めた。

 

が、豪鬼もその人外の動きに対してこれまた完璧に合わせてしまうのが凄まじいところである。その拳打を恐ろしいことにすべて捌き切ったうえ、今度は彼も負けじと技を返すことで応戦する。

 豪鬼「竜巻斬空脚!」

豪鬼は、空中に飛ぶと同時に、右足を九十度に上げ、そのまま空中を旋回しながらそのまま滞空し、連続した回し蹴りを繰り出す。