深淵からの脱出5

 山本の考えている通り、ここはアインツベルンの森もどきとは違う、声の主の心象風景が具現化した場所である。

 ?「お前の言う通りだ、若き者よ。ここは余の心象風景。この星からははるか遠き場所にある、余の拠点があった場所の再現よ。」

 山本「…この星とは別の場所?ということは、あなたは宇宙人かクトゥル神話の神のような存在なのか?」 

彼の問いかけに、声の主は半分は正解だが半分はそうではないと答えた。

 ?「余はそなたと同じ人間種族。しかし、この星が存在する銀河とは別の銀河にある星だ。…しかし、この銀河系には少々残念だと思うことがある。誰も、【フォース】を感知できるものがおらぬことだ。能力あるそなたももちろん含めな。しかし、それは余の計画を邪魔するものがだれもおらぬということだ。時間が稼げる。」

 

雷鳴が走る。その光に映し出されるのは、地球の科学技術ではありえない物が映し出される。それは、ひし形をした巨大な人工物の岩であった。しかも、地上からわずかに浮いている。

 ?「…驚いたか。これこそが【■■】の技術。…が、そなたが再びこれを見るのはまだはるか未来となるであろう。…そういえば、そなたにこれから起こりうることを見せるという約束であったな。