全ての始まり1

気づいた時には、自分は時空移動マシーンに乗っていた。始めは、視界がぼんやりとして全く辺りの様子が分からなかった。が、次第に目がはっきり見えるようになるとともに、誰かが自分のそばにいることがすぐに理解できた。

 ?「よかった、気が付いたみたいですね。」

この声は、ああ、錬金術世界で会った時以来の声だ。またしても世話になることになるとは、何とも恥ずかしい話である。

  山本「その声は、ああ、ジュードか。いやはや、こんな短期間でまた君に世話になるとはいやはや恥ずかしい話だ。」 

 ジュード「いえいえ、もう慣れっこですよ。今回のほうが身体の外傷がほとんどありませんし、バイタルも問題ありません。ただ単に気絶していただけのようです。」

 山本「そうか…。それにしても、一体何があったのか全く分からないんだ。]

辺りを見渡すと、やっと自分がどこにいるのか理解した。これは自分の時空間移動マシーンの中にある医務室だ。

時空移動マシーンという名前だけだと、何だかただ時間を移動するだけの殺風景な機械みたいだが、実際はそれどころではない。マシーンの中は四次元空間を利用して、最大500人の衣食住可能な豪華フェリーぐらいの設備が整ってあるのだ。要は、移動するリゾートホテルといっても過言ではない。ちなみに人数に合わせて空間可変である。