拳を極めしもの 13

 銀河「ふむ、あとは最後の一手で決めるしかないという訳か。互いの最強の技を出し、上回った方が勝つ。まぁ安心なさい。猗窩座は負けたとしても死ぬことはないでしょうから。逆に、豪鬼が負けた場合はイコール彼の死となるが、果たして。」

 

互いの闘いを高みの見物と言わんばかりの態度を見せる銀河だが、無惨はその逆だ。

 無惨「猗窩座が負けるだと?」

 銀河「いえ、あくまで負けた場合ですよ。」

 

と何事もない様子で答える銀河に対して無惨はしかめっ面をする。

 無惨「鬼狩りでないものが十二鬼月に勝つ可能性があるというのかねあなたは。あり得ん話だ。あ奴は只の格闘家と見える。…まぁ、確かに手から何かしらの【気】のようなものは出してはいるものの、威力は鬼を殺すほどの威力には届いてはおらぬ。あの豪鬼とかいうやつは確かに人外であることは認めよう。が、あれでは何百年と技を磨き続けた猗窩座には勝てん。」

 

無惨は、猗窩座の真面目さ、勤勉さ、そしてひたむきさという点を非常に高く評価している。しかも、十二鬼月となって数百年、上弦から一度も陥落したことがないのだ。が、何故であろうか。無惨の猗窩座の評価を知ったうえで、銀河は何故か二人を再び見つめて、笑顔でこう言ったのだ。

 銀河「普通ならなぁ。だが、あいつは【もうそんな奴といくらでも対戦しているからなぁ。】それに、【瞬獄殺】を出せば十分勝機があるしなぁ。」