欺瞞 13

いや、感嘆している場合ではない。もしかしたら彼らの言っている敵とは自分のことかもしれない。もしくは、自分と勘違いされたら非常に困る。一応、いまは物陰に隠れているためいいが、こちらに近づかれたら完全にアウト。果たしてどうするか。

 

少なくとも、今は動かない方がいいだろう。もし、こちらに近づくようなことがあれば、前来た道を戻って隠れることも選択肢に入る。

 山本【少なくとも、こっちに来なければ問題ない。恐らく、向こうは自分のことを知らない上、余り顔を合わせない方がいいだろう。…しかしだ、話を聞いているとカルデアのマスターとマシュの両名の本体は今意識を失っているということらしい。

 

と、いうことはだ。今まで自分が会っていた二人は偽物だったということでいいのか?!それにしてもやたらリアリティのある偽物だった。…いや、いくら何でもあれはリアルすぎる。…出来るだけ、カルデアのマスターがいるところまで急いで駆けつけないと。

 

ひとまず、離れた場所から二人の動向を調べよう。モリアーティ教授は、そのままカルデアスのところまで移動した後、それを調べようとする。すると、偽のカルデアスはそのまま消滅し、それがあった所に何やらメモのようなものが落ちていた。…そして、隣には、何やら石板のようなものも落ちていた。