欺瞞 25

 山本「まぁ終わったならいいでしょう。…しかしおふた方ものすごくお強い。」

と健闘を称えあおうとした山本。だが、サ-ヴァントである二人は山本に詰め寄る。

 山本「…と、あれ?おふた方どうかしました?」

 モリアーティ「いやいや、君も十二分に強いと私は思うのだがね。いやあの態勢であんな高等魔術使うって君何者なのかね?」

 巴「ええ、私もめちゃくちゃ気になります。あなた本当に生身の人間なのですか?」

山本は二人のあまりの威圧感に後ずさりする。確かに、サーヴァント二人の気持ちも分からなくはない。突然現れた謎の男が急にあんな動きをするのだ。それは聞きたくもなる。

 

二人は更に詰め寄る。この男、本当にただの生身の人間であるか非常に気になって仕方がないからだ。

 モリアーティー「いや、巴君、もしかしたら只の人間ではないのではないか?いや、もしかしたら人間ではない可能性が!」

 巴「ええっ!人間ではない可能性ですか!」

 モリアーティー「そう!そうだよ!その可能性あるよ!」

勢いである。二人は完全に山本に対して疑惑を持ち始める。終いには、実は敵のスパイなんじゃないかと言わんばかりである。山本は追い込まれていた。何故だか分からないが、本気を出したせいで逆に疑われることになってしまった。

 

が、突如三人の頭の中に声が響き渡る。それは、非常に落ち着いた老人の声であった。